影絵

『光と影のファンタジー』という藤城清治さんの影絵展を黎明館で鑑賞してきた(笑)。ニュースやCMで告知を見た時からすごく興味があって、昨日から鹿児島市内へ来ていた事もあり、せっかくの機会だったので足を運んでみた。

美術館はおろか絵の展示会なんて一度も行った事がなく芸術と呼ばれるものには、縁遠い僕。でも、父が昔、影絵を作っては卒業祝いで教え子達ににプレゼントしたり、名前の由来である“大きくて広い樹”を僕が産まれた時に作ってくれたから、影絵は懐かしくて身近に感じるものだった。

一枚一枚、じっくり鑑賞した。中でも、大きな木の下で満月の光を浴びながら小人がセロを弾いている『月光の響』という絵に目と心を奪われてしまった。10分もその絵を見つめていた。一枚の絵で全てを表現する事の凄さと感動を味わえた。

全てを見終わって「モノを作るって自由なんだ」と思った。僕は昔から図画・工作の時間が嫌いで憂鬱だった。模写すれば全然似てなかったり絵のバランスが悪かったりする…好きなモノを作れと言われれば、何を作って良いのかわからず、時間を持て余し、作るものがようやく決まっても不器用だから思うようにいかずなくて、時間が足りず中途半端なモノを提出するハメになる。こうして、「自分にはモノを作る作業は向いていない」と思うようになった。
でも、それは「うまい」、「へた」、「現実的」、「現実的でない」っていう見た目ばかりを気にしていたせいだと思う。本当に大事なことは「自分が思ったり、考えたことを素直に表現する」ってことなんだね。海の中に大きなピアノがあっても良い、目の前の景色にとらわれず、「こんな景色があったら綺麗だろうな」っていう願いや想像でモノを作っても構わないのだと思った。

自分のイメージを表現する技術も確かに必要だけど、気持ちだったり衝動だったり、願いだったり、自分の中にあるものを大切にしなきゃ、そしてもっともっと自由に…と、モノ作りを学んだ一日だった。

長文読んでくれてありがとう。