お礼のメール

11月末に県外在住の方から電話での問い合わせを受けた。

「墓地を探しているが、土地勘が無いので墓の場所を教えてほしい」とのこと。

どうやら○○地区近辺ということまではわかっているらしいが、数十年前に一度、行ったきりでほとんど記憶していないとのことだった。
田舎であるため、様々な場所に墓地が存在し(法律上「墓地」と呼べないものも含め)、我が市は墓地の把握に困っている状態。

そんななか、○○地区にある墓地を関係書類から調べ、僕の知る情報もすべて伝えたが、目的の墓地は見つからなかった。
「母と一緒に墓参りに行きたい」とのことだったので、僕は力になれず申し訳ない気持ちだった。

すると、今日、市役所宛に一通のメールが届いた。

「11月○日に古い墓についてたずねた者です。
あの時には突然の奇妙な問い合わせにも関わらず、大変丁寧に対応して頂きありがとうございました。色々なヒントを頂けたお陰で先日、母と念願だった墓参りに行くことができました。
無礼にも対応された方の名前をお尋ねしていなかったのですが、幼少期をそちらで過ごした母がとても感謝致しております。私にとっても第二の故郷である○○市の今後の発展を祈っております。本当にありがとうございました。」

嬉しかった。嬉しくて何度も読み返して、文章も憶えた(笑)
毎日苦情が寄せられる部署で、こんなドラマのような出来事もあるのだと思ったし、自分では申し訳ない気持ちから、嬉しい気持ちにさせてもらい、お礼のメールまでいただき、問い合わせてくれた律儀な人に、僕のほうこそ感謝したい。

このメールは市長にも届いたらしく、課長会でも持ち上がり、「このように誠意をもって対応するように」との話まで出たらしい。
終礼では名指しされ、照れくさかった。

明日も頑張ろう!そう思えた。