大晦日

晦日。わりかしゆっくり過ごす・・ゆっくり過ごす大晦日はずいぶん久しぶりな気がする。

きまって思い出すのは、昨年12月17日に亡くなった祖母の家で過ごした大晦日の記憶。。
小さい頃から20代前半まで年末年始は祖母の家で過ごしてきた。
朝早くに餅つき機を回す音で起こされ、祖母と父の蕎麦作りを見たり、冷たい手をストーブで温めながら、にぎわう商店街の中継を居間のテレビで見て大晦日を実感していた記憶・・時間を持て余していたけど、そんな退屈な大晦日がなんか好きだった。

夜になると皆で紅白を見ながら、ご飯を食べた。叔父や叔母に、いとこ・・とても賑やかだった。
祖母も父も紅白が終わる前に眠ってしまい、いつも母と二人で遅くまでテレビを見ていた。

「寝るね」と言って寝室に向かう祖母の声と姿。
冷たい布団の中で眠れるまで、ずっと見つめていたオレンジ色の除夜灯の電球・・ずっと切ない気持ちで眺めていた。

懐かしい。あの頃に戻りたい。

みんな歳をとり、大晦日の過ごし方が変わりつつある。寂しい気持ちもあるけど、僕にも家族ができ、これからは我が家の「大晦日の過ごし方」を作っていかないと。僕の両親が、かつて僕が好きだった「大晦日の過ごし方」を作ってきたように。